
ダイヤモンドの新たな評価基準:ライトパフォーマンス – ブリリアンスとは?
20世紀半ば以降、4Cは、ダイヤモンドの美しさ、希少性および価値を掲げる旗手の役割を果たしてきました。それなりのダイヤモンドを買おうとするなら、4Cの基準に沿って選ぶのが正当とされてきたのです。
オンライン情報の爆発的な増加により、4Cに関するこれまでにない量のデータへのアクセスが可能になったことはいうまでもありません。たとえば、グーグルで「“how to choose a diamond?(ダイヤモンドの選び方)」と検索すれば、約5億件の結果が表示されます。
クリック一つでそれだけ多くの情報にアクセスできるとなれば、今日の消費者にはダイヤモンドや4Cグレーディングに関する、より幅広く深い知識があると思うのが当然のことですが、必ずしもそうではないようです。たとえば、グーグルで「trust among diamond consumers (ダイヤモンド購入者の信頼)」と検索してみると、2000万件以上の結果が表示され、ダイヤモンド業界に対する消費者の信頼が未だに欠如していることがわかります。つまり、より多くの情報は、必ずしもより良い知識や意思決定には反映されていないのです。ダイヤモンドの真の美しさや特徴を、顧客にわかりやすく伝える必要があるのはそのためで、ライトパフォーマンスは新たな武器として、販売員がそれを実現するのをサポートします。
ライトパフォーマンス-新しく、より良いダイヤモンドの評価方法
ダイヤモンドは、光の反応がその外観に直接影響する点で、その他のジュエリーとは異なります。ダイヤモンドに差し込んだ光は、屈折し跳ね返ることで輝きを放ちます。ダイヤモンドの光への反応方法は、その大きさ、種類、生まれ持った特徴(内包物など)、カット・研磨方法によりそれぞれ異なり、故にライトパフォーマンスも二つとして同じものはありません。
グレーディング基準「4C」はカラット(重さ)、カラー(色)、カット、クラリティ(透明度)の4つの側面のみで構成され、光への反応というダイヤモンドにとって最も重要な要素は評価対象に含まれないため、それぞれのダイヤモンドに固有の外観や美しさが適切に評価されないという欠点があります。同じ4Cグレードを持つ2つのダイヤモンドの輝きがまったく異なり、価格に雲泥の差が生じることがあるのはそのためです。
4Cグレードが同じ2つのダイヤモンドの価格差を、顧客に説明するのは容易なことではありません。ですが、ダイヤモンドの新たな評価基準「ライトパフォーマンス」を使えば、2つのダイヤモンドの違いを顧客にわかりやすく示し、顧客による自信を持った選択を促すことができます。
ライトパフォーマンスは、ダイヤモンドによる光への反応を正確かつ客観的に評価できるよう考案された、ブリリアンス(白く強い輝き)、スパークル(きらめき)、ファイア(虹色の閃光)、ライトシンメトリー(光の対称性)の4つの視覚的要素からなる、科学的根拠に基づくグレーディング基準です。
本ブログシリーズの第1回目では、ライトパフォーマンス基準の一つ「ブリリアンス(白く強い輝き)」について、そのダイヤモンドとの関わりを解説します。
ブリリアンス-白く強い輝き
ダイヤモンドのライトパフォーマンス基準の一つとしての「ブリリアンス」とは、「ダイヤモンドから放たれる白く強い輝き」のことです。
Sarineのライトパフォーマンス測定装置Sarine Light™なら、特殊カメラ画像化技術でダイヤモンドをスキャンし、ダイヤモンドの外見を構成する3つの要素Y(輝度:白黒画像で認識できる明るさ)、UおよびV(クロミナンス:画像の色成分)を記録できます。
ダイヤモンドのブリリアンスは、主にY(白黒画像での輝度)に基づき評価されます。具体的には、Sarine Light™カメラで撮影した複数の画像の合成スキャン画像の平均階調レベルを算出し特定されます。
階調レベルが高いほど、ブリリアンスレベルは高くなります。Sarineの技術は、「Exceptional (特に高い)」「Very High (非常に高い)」「High (高い)」「Standard (標準)」「Minimum (許容最低レベル)」の5つのレベルへの、ライトパフォーマンスの分類を可能にします。
ブリリアンスは、ダイヤモンドの総合的なライトパフォーマンスグレードを形成する4つのパラメーターのひとつです。Sarineダイヤモンドレポートの一部として、ブリリアンスは、消費者にダイヤモンドのユニークな外観と特徴を説明するための明確で魅力的な方法です。 また、4Cが類似または同一のダイヤモンドの違いを説明するための視覚的な基盤も提供します。 SarineのLight Performance Scale Displayを含むさまざまなビジュアルマーチャンダイジングツールは、小売業者が店舗の顧客に店内のダイヤモンドの品質の違いをわかりやすく説明するという難しい作業を支援するように設計されています。
ライトパフォーマンスの科学的な詳細については、Sarineの最新のホワイトペーパーをお読みください。
ライトパフォーマンスのその他の基準(スパークル、ファイア、ライトシンメトリー)については、今後の投稿を引き続きご確認ください。