< ブログヘ戻る
19
November 2019

Like? Share!

ダイヤモンドの新たな評価基準:ライトパフォーマンス – ブリリアンスとは?

20世紀半ば以降、4Cは、ダイヤモンドの美しさ、希少性および価値を掲げる旗手の役割を果たしてきました。それなりのダイヤモンドを買おうとするなら、4Cの基準に沿って選ぶのが正当とされてきたのです。

オンライン情報の爆発的な増加により、4Cに関するこれまでにない量のデータへのアクセスが可能になったことはいうまでもありません。たとえば、グーグルで「“how to choose a diamond?(ダイヤモンドの選び方)」と検索すれば、約5億件の結果が表示されます。

クリック一つでそれだけ多くの情報にアクセスできるとなれば、今日の消費者にはダイヤモンドや4Cグレーディングに関する、より幅広く深い知識があると思うのが当然のことですが、必ずしもそうではないようです。たとえば、グーグルで「trust among diamond consumers (ダイヤモンド購入者の信頼)」と検索してみると、2000万件以上の結果が表示され、ダイヤモンド業界に対する消費者の信頼が未だに欠如していることがわかります。つまり、より多くの情報は、必ずしもより良い知識や意思決定には反映されていないのです。ダイヤモンドの真の美しさや特徴を、顧客にわかりやすく伝える必要があるのはそのためで、ライトパフォーマンスは新たな武器として、販売員がそれを実現するのをサポートします。

ライトパフォーマンス-新しく、より良いダイヤモンドの評価方法

ダイヤモンドは、光の反応がその外観に直接影響する点で、その他のジュエリーとは異なります。ダイヤモンドに差し込んだ光は、屈折し跳ね返ることで輝きを放ちます。ダイヤモンドの光への反応方法は、その大きさ、種類、生まれ持った特徴(内包物など)、カット・研磨方法によりそれぞれ異なり、故にライトパフォーマンスも二つとして同じものはありません。

グレーディング基準「4C」はカラット(重さ)、カラー(色)、カット、クラリティ(透明度)の4つの側面のみで構成され、光への反応というダイヤモンドにとって最も重要な要素は評価対象に含まれないため、それぞれのダイヤモンドに固有の外観や美しさが適切に評価されないという欠点があります。同じ4Cグレードを持つ2つのダイヤモンドの輝きがまったく異なり、価格に雲泥の差が生じることがあるのはそのためです。

4Cグレードが同じ2つのダイヤモンドの価格差を、顧客に説明するのは容易なことではありません。ですが、ダイヤモンドの新たな評価基準「ライトパフォーマンス」を使えば、2つのダイヤモンドの違いを顧客にわかりやすく示し、顧客による自信を持った選択を促すことができます。

ライトパフォーマンスは、ダイヤモンドによる光への反応を正確かつ客観的に評価できるよう考案された、ブリリアンス(白く強い輝き)、スパークル(きらめき)、ファイア(虹色の閃光)、ライトシンメトリー(光の対称性)の4つの視覚的要素からなる、科学的根拠に基づくグレーディング基準です。

本ブログシリーズの第1回目では、ライトパフォーマンス基準の一つ「ブリリアンス(白く強い輝き)」について、そのダイヤモンドとの関わりを解説します。 

ブリリアンス-白く強い輝き

ダイヤモンドのライトパフォーマンス基準の一つとしての「ブリリアンス」とは、「ダイヤモンドから放たれる白く強い輝き」のことです。

Sarineのライトパフォーマンス測定装置Sarine Light™なら、特殊カメラ画像化技術でダイヤモンドをスキャンし、ダイヤモンドの外見を構成する3つの要素Y(輝度:白黒画像で認識できる明るさ)、UおよびV(クロミナンス:画像の色成分)を記録できます。

ダイヤモンドのブリリアンスは、主にY(白黒画像での輝度)に基づき評価されます。具体的には、Sarine Light™カメラで撮影した複数の画像の合成スキャン画像の平均階調レベルを算出し特定されます。

階調レベルが高いほど、ブリリアンスレベルは高くなります。Sarineの技術は、「Exceptional (特に高い)」「Very High (非常に高い)」「High (高い)」「Standard (標準)」「Minimum (許容最低レベル)」の5つのレベルへの、ライトパフォーマンスの分類を可能にします。

ブリリアンスは、ダイヤモンドの総合的なライトパフォーマンスグレードを形成する4つのパラメーターのひとつです。Sarineダイヤモンドレポートの一部として、ブリリアンスは、消費者にダイヤモンドのユニークな外観と特徴を説明するための明確で魅力的な方法です。 また、4Cが類似または同一のダイヤモンドの違いを説明するための視覚的な基盤も提供します。 SarineのLight Performance Scale Displayを含むさまざまなビジュアルマーチャンダイジングツールは、小売業者が店舗の顧客に店内のダイヤモンドの品質の違いをわかりやすく説明するという難しい作業を支援するように設計されています。

ライトパフォーマンスの科学的な詳細については、Sarineの最新のホワイトペーパーをお読みください。

ライトパフォーマンスのその他の基準(スパークル、ファイア、ライトシンメトリー)については、今後の投稿を引き続きご確認ください。

Get the latest technology, grading and retail news straight from the source, straight to your inbox.


MORE FROM THE DIAMOND BLOG

多様性としてのトレーサビリティ-ダイヤモンドの販売でストーリーテリングが重要となる理由

Sarineの「ダイヤモンドジャーニー™」トレーサビリティソリューションは、それぞれのダイヤモンドの物理的特徴や表面を、原石から宝石に至るまでのライフサイクルを通して最も細かい点に至るまで解析し、ダイヤモンドの真の多様性を反映した、証明可能なデジタルレポートとして提供します。

ダイヤモンド供給ラインの「需要主導型」から「需要対応型」への進化

今日のダイヤモンド供給ラインは、鉱山から小売業者への流れだけでなく、小売業者から鉱山への流れによっても構成されます。消費者需要は、必要なダイヤモンドの種類、タイミング、場所を左右する最も重要な要素です。

2021年のダイヤモンド業界-復活への着実な歩み

1年で最も重要な季節の到来が近づく中、すでに始まっているダイヤモンド業界の復活に拍車をかける、2021年の動向や技術をまとめてご紹介します。

COVID-19がもたらしたダイヤモンド業界のデジタル・AI化

過去9カ月にわたり、原石取引業者からメーカー、小売業者、消費者に至るダイヤモンド供給ラインの関係者が、デジタルソリューションの非常に高い可能性をCOVID-19を通し実感してきました。デジタル化はCOVID前も進められていましたが、感染拡大によりその速度は急速に加速しました。

ダイヤモンドの真正なトレーサビリティがついに実現

Sarineでは、ダイヤモンドのプランニング・加工・マーケティング技術が鉱山から消費者に至るダイヤモンドの全過程を網羅することで、世界で最も高度なトレーサビリティソリューションを提供しています。

ダイヤモンド業界における技術活用の拡大

当社のデイヴィット・ブロックCEOは、ラパポートでシニアアナリストを務めるアヴィ・クラウィッツ氏とのポッドキャスト対談で、COVID-19がダイヤモンドサプライチェーンにおけるテクノロジーの活用をどのように加速し、イノベーション導入に対する不安の解消に役立ってきたかを紐解きました。

ダイヤモンドグレーディングの未来

Sarineは2017年、カラーおよびクラリティのグレーディングを自動化する第一世代のダイヤモンドグレーディングテクノロジーを発表し、それ以降、中核的なグレーディング技術の改良に休むことなく取り組んできました。

日本のダイヤモンド業界の状況:2020年の動向と課題

ダイヤモンドを婚姻の象徴とする西洋の概念がデビアスのマーケティング活動の一環として日本にもたらされたのは、1950年代後半だったのですから。それ以降、日本のダイヤモンド市場は、景気変動、社会規範の変化、消費性向の変化などあらゆる要素に影響を受けてきました。では、2020年代に突入する今中、日本国内の宝飾・ダイヤモンド業界はどのような動向や課題に直面しているのでしょうか。

4Cを上回るダイヤモンドグレーディング

決められた基準に沿って鑑定機関がダイヤモンドグレーディングを行う時代はもう終わりました。グレーディングの新たな常識は、ダイヤモンドを4Cを超えた未知のグレーディング領域に導き、小売業界に革命的な変化をもたらすことで、ダイヤモンドメーカー(研磨業者)と宝飾店の両方に、全く新しい可能性の世界を切り開いています。

Sarine® Diamond Journey™ 原産地レポートがアフリカへ

ダイヤモンドの購入に先立ち、信頼できる情報を求める消費者は急速に増えています。現代の消費者は、ダイヤモンドが天然かどうか、どこの鉱山から採掘されたものか、どんな原石からカットされたものか、どんな工場で研磨されたものでいつ作られたものかを、それぞれのダイヤモンドに固有の特徴や鑑定結果を含め知りたがっています。