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12
February 2020

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4Cを上回るダイヤモンドグレーディング

4Cは、研磨加工されたダイヤモンドの黄金基準として、世界のダイヤモンド業界のあらゆる関係者に半世紀以上にわたり使用されてきました。ですが、それは急速に変わりつつあります。

今日のダイヤモンド小売店・宝飾店はすでに、4Cを精度・包括性の面で上回るグレーディングを求め始めています。

こうした現象は、以下の複数の要因によりもたらされています。

  • 消費者の需要や期待の変化-今日の消費者は、知識・判断力共に高く、ダイヤモンドの購入に非常に慎重な傾向にあります。インターネットには、素人の消費者がアクセスできる、ダイヤモンドに関する正確または不正確な大量の情報が公開されています。そうした消費者は、販売員によるグレーディング情報の説明を文字通り受け取ることに抵抗を感じ、ダイヤモンドのグレーディング、原産地、価格に関するあらゆる情報だけでなく、より高い水準の信頼度・精度・情報透明度を求める傾向にあります。
  • 最先端のグレーディングテクノロジー-4Cを主体とするダイヤモンドグレーディングは従来、宝石学者の専門知識や眼識に依存・左右される作業として存在してきました。それが、1990年代に業界初のカットグレーディングテクノロジーがSarineにより導入されたことでダイヤモンドのカットグレーディングが一変し、人間による鑑定では実現し得ない高い精度水準のカットグレーディングがもたらされました。
    それ以降、新たな複数のテクノロジーの開発により、ライトパフォーマンスなどのその他の基準に基づくダイヤモンドグレーディングも可能になりました。最も新しいものでは、AI(人工知能)によるダイヤモンドグレーディング工程の自動化が、業界全体を席巻しました。AIは、ユニークかつ複雑なグレーディング基準に基づくダイヤモンドの再現化・カスタマイズ化をあらゆる精度で実現することで、ダイヤモンドグレーディング業界全体に新境地をもたらしています。
  • ダイヤモンドの卓越性や美しさに関するより洗練された基準-消費者需要の高まりや先進技術の発展は、より洗練された美しいダイヤモンドへの自然な移行をもたらしてきました。世界のダイヤモンド業界は非常に競争が激しく、宝飾小売業者はそれぞれのダイヤモンドブランドを差別化し、それぞれのコレクションに顧客の関心を引き付けられる方法を模索しています。小売業者によるこうした取り組みは、非常に高度なダイヤモンド基準、個性的なダイヤモンドカットデザイン、正確なダイヤモンドグレーディングへの需要を、これまでにない規模で促しています。

今日のダイヤモンドグレーディングがこれまでとは異なる理由

決められた基準に沿って鑑定機関がダイヤモンドグレーディングを行う時代はもう終わりました。グレーディングの新たな常識は、ダイヤモンドを4Cを超えた未知のグレーディング領域に導き、小売業界に革命的な変化をもたらすことで、ダイヤモンドメーカー(研磨業者)と宝飾店の両方に、全く新しい可能性の世界を切り開いています。

ダイヤモンドの新たなグレーディング方法:

Sarine Light™パフォーマンス

同じように光に反応するダイヤモンドは二つとないことは、ダイヤモンドのライトパフォーマンスグレードがダイヤモンドの見た目を表す本当の意味でユニークな基準である理由です。SarineのLight™パフォーマンスグレーディングレポートは、ダイヤモンドの美しさや価値を、科学的かつ客観的なグレーディングに基づきアピールできる、小売店に役立つ優れた販売ツールです。

ハート&キューピッド

ハート&キューピッドとは、理想的かつ最適な対称性とバランスを生み出す、精度の高いダイヤモンドカット加工のことです。パビリオン面から見える8つの対照的なハートと、クラウン面から見える8つの矢がその特徴です。

高品質な「ハート&キューピッド」ダイヤモンドのカッティング・グレーディングに求められる精度は、拡大鏡をはるかに上回る性能の先進技術を必要とするものです。そのため、世界中のダイヤモンドメーカー(研磨業者)は、SarineのDiaMension™カット・シンメトリー解析技術を用いることで、最高水準の精度とグレーディングを確保しています。

特殊カット

ダイヤモンドの評価、分析、グレーディングがますます複雑化・高精度化する中、業界基準を越える特殊カット・形状の開発に取り組むダイヤモンドメーカー(研磨業者)が出始めています。特殊カットは、顧客の要望やファッショントレンドに合わせた加工が可能なため、小売業者によるターゲットの顧客に合った商品の提供や増販に役立ちます。

特殊カットがダイヤモンドグレーディングの進化にいかに貢献しているかは、インドのダイヤモンド企業Divine Solitariesの例を見れば明らかです。123個という驚くべき数の基準に基づきダイヤモンドを検査する同社では、これらの基準をすべて満たすダイヤモンドのみをコレクションに取り入れることで、4Cグレード方式でランク付けされた標準的なダイヤモンドに比べ20〜80%評価価格が高い、高品質なダイヤモンドを提供しています。

ブランド独自のグレーディング基準

高級ダイヤモンドブランドは、4Cを主体とするGIA業界基準を上回る、より厳しい独自のグレーディング基準の開発を通し、これまでにない高い水準の品質を確保しています。たとえば、世界を代表するジュエリーブランドTiffany & Co.(ティファニー)は、独自のグレーディング基準に基づく評価により、同社独自のダイヤモンド品質を確保してきました。

ティファニーは最近、SarineのAIによる自動グレーディングシステムを、同社が固守する厳しいカラー・クラリティ基準用に調整。これにより、同社のグレーディング技術が最新化され、従来の4Cとは一線を画する独自のグレーディング基準が整備されたことで、ワンランク上の高級感と品質を備えたブランドダイヤモンドへの需要が高まっています。

内包物の位置の特定

数百万年、数十億年をかけて地中の奥深くで生成されるダイヤモンドの大半には、内部に内包物と呼ばれる自然生成物が含まれています。内包物の位置、大きさ、形、種類は、ダイヤモンドの見た目や価格を大きく左右します。肉眼では見えない非常に小さな内包物も、ダイヤモンド内部の光の動きを左右し、ライトパフォーマンス(輝き)グレードに影響する可能性があります。

ダイヤモンドメーカー(研磨業者)にとって、原石に含まれる内包物の位置に関する情報は、宝石の価値を最大限にできるカット方法を特定する上で欠かせない要素です。SarineのGalaxy®内包物マッピング技術およびAdvisor®プランニングソフトウェアは、生産初期段階での内包物に関する正確なデータの収集を可能にすることで、原石から抽出できる宝石のリバースエンジニアリングを実現できる技術です。

従来の4Cを上回るこれらのダイヤモンドグレーディング基準は、宝飾小売業界の様相を一変させています。その他の新しい正確なダイヤモンドデータ、グレーディング基準、蛍光性などのテクノロジーに基づく機能、「ダイヤモンドジャーニー」による原石から宝石までのトレーサビリティはすべて、ダイヤモンドのグレーディング・マーケティング・販売方法を驚くべきペースで刷新させています。

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