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06
8月 2020

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ダイヤモンド業界における技術活用の拡大

COVID-19の世界的な感染拡大の発生から5か月目となり、ダイヤモンド業界はその影響の重さを感じ始めています。本業界では特に、テクノロジーやデジタルプラットフォームに頼ることで、小売店や消費者への販売や情報伝達の維持が図られてきました。当社のデイヴィット・ブロックCEOは、ラパポートでシニアアナリストを務めるアヴィ・クラウィッツ氏とのポッドキャスト対談で、COVID-19がダイヤモンドサプライチェーンにおけるテクノロジーの活用をどのように加速し、イノベーション導入に対する不安の解消に役立ってきたかを紐解きました。

本ブログでは、この対談の要点をまとめてご紹介しています。

COVID-19によるロックダウンに、どのように対応していますか?

私個人に関していえば、良い意味で興味深い体験となっています。5か月間出張もせずに家にいながら子どもや家族と長い時間を過ごせるチャンスは、これまでにはありませんでしたから。

サリネとしては、どのような対応を行ってきましたか?

当社は、業界全体の動向が直接反映される、業界を象徴する企業です。皆さんご存知の通り現状は厳しく、採掘から製造、小売に至る全セグメントが試練に直面しています。一方で、この危機により脚光を浴びる機会や、多くの直接的な機会がもたらされているのも事実です。

以前から市場の効率化が叫ばれてきたことを踏まえれば、コロナウイルスによりダイヤモンド分野のデジタル化が加速しているという見方がサリネで強まっているようにも感じられます。COVID-19によるこうした変化を実感されていますか?

はい。今までとは違う世の中に住んでいるという認識が人々の間で広がり、消費者が大幅にデジタル化している点が特に大きな変化だと思います。そのため、サービスの提供先が消費者であれ小売店であれ、よりデジタルな世界の一部としての対応が求められるようになりました。当社はすでに長年にわたりそうした取り組みを行ってきたため、COVIDの発生により間違いなく脚光が向けられたわけですが、あらゆる点でデジタル化が加速したのも事実です。今回導入された技術が今後生活の大きな一部となっていくという認識が人々の間で広がり、それを付加価値創生に向け最大限に活かしていけることが重要となります。

御社のプログラムに対する企業の関心が高まっているとお感じですか?不安が解消されたからといって、実際に導入に踏み切るとは限りませんよね。

そうした企業は多数ありますが、最近で最も関連性のある例をご紹介します。当社は、生産量で世界最大手のダイヤモンド生産業者ALROSAと以前から提携してきました。ALROSAは、COVID以前より原石販売のデジタル化に取り組み、COVIDが発生するずっと以前の2019年には初のデジタル入札の導入を通し、原石のデジタル販売を正式にスタートさせています。3月から5月までの期間に人々による旅行が制限されたことは、原石のデジタル入札の真価が認められるきっかけとなったのはもちろん、COVID発生のずっと以前に開始された取り組みを実環境で試せるまたとない機会となりました。

ALSORAによるデジタル入札での、サリネの役割を説明してください。

サリネはALROSAによる入札の完全デジタル化を、当社の既存技術および同社と共同開発した技術の活用を通しサポートしています。これによりALROSAによる、様々な基準に基づく原石のスキャン解析が実現しています。原石の価値に関するデータや情報を豊富に保有できることで、ALROSAはあらゆる顧客にサービスを提供したり、商品を確認したり、メーカーが求める基準を満たしたり、より賢い判断を行うことができています。技術は既存のものを活用しながら、同時によりALROSA固有の技術の開発にも同社と共同で取り組んでいます。

テクノロジーの導入・活用が業界内で進んでいるように見えますが、そう思われますか。

テクノロジーの導入・活用は間違いなく進んでいますが、セグメントによる格差もあると思います。製造セグメントでは、サリネの技術を含む技術全般の導入が、過去数十年間にわたり非常に積極的に進められてきました。一方、今日の消費者に見合う技術への刷新が求められる小売セグメントなど、デジタル化に向けた迅速な対応が求められているセグメントもあります。個人的には、供給ラインの末端へのテクノロジーの統合や供給ライン全般の効率化をどう実現するかが、最大の課題だと思っています。

鉱山から製造、小売へのつながりをどう確保するのか、具体的にご説明ください。供給ライン全般の効率化についても、具体的にはどのような取り組みが進められていますか。

鉱山から小売店、消費者に至る供給ラインを通したトレーサビリティの提供は、当社が現在取り組んでいる主要プロジェクトの一つです。具体的には、当社が過去30年間にわたり展開してきた、すでに供給ラインに存在する技術を活用することで、顧客への付加価値や付加的サービスの提供に取り組んでいます。

当社の長年にわたるパートナー「Star Rays」は、サリネのダイヤモンドジャーニー™の導入を通し、鉱山から店頭に至るそれぞれのダイヤモンドに関する全ストーリーを顧客に提供しています。提携の詳細は、当社のFacebookページをご覧ください。

コロナ危機の発生から間もないロックダウン施行直後の発表となったeGradingですが、このタイミングは本ソリューションの展開にどのような影響を及ぼしましたか。

eGradingについてはロックダウン突入の1〜2週間前からキャンペーンを開始し、ハードウェアエンジニア以外の大半の社員が在宅勤務に移行したことを除けばR&Dもすべて変更なく継続してきました。そのため開発サイドの遅れはなく、集中した取り組みが可能となってきたため、あらゆる点においてCOVIDの発生によりむしろより迅速な成果を実現することができてきます。一方、業務面においては、顧客、小売店、メーカーを含む関係者すべてがそれぞれの問題の対応に追われており、遅れが生じるのは避けられない状況となっています。ただ、高級小売業者をはじめとする市場関係者からは、トレーサビリティ事業を重要視する声が多く寄せられています。

メーカーでは原石が足りているのが現状ということは、改善が見られるまでにはあと1〜2か月かかるということですか。

これに関しては、2つの要素を注意深く見守る必要があります。1つ目は消費者需要、特に米国における小売店の業績、小売分野の需要状況です。2つ目に同じく重要となるのが、小売業者、地域・国レベルで活動する卸売業者、メーカーを含む供給ライン全体の在庫状況でしょう。なぜなら、小売店の売上が本格的に回復し始めても、供給ラインの大半のセグメントにはまだかなりの在庫が存在しているからです。そのため、これらの在庫がなくなるまでは、本格的な増産を促す誘因はあまりないのが現状です。

小売店による商品調達方法や取扱商品の見直しが進められ状況が変化し続ける中、業界のその他の関係者にも波及効果が及んでいます。非常に興味深い状況ですが、企業にとっては舵取りが非常に難しい環境でもあります。早く状況が落ち着き、平常に戻ればいいですね。

はい、皆さんそう望んでいるのではないでしょうか。テクノロジーやその他の方法により供給ライン全体の統合が進めが進むほど、全体的な効率性も向上し、障害も徐々になくなっていくのではないでしょうか。

全対話のポッドキャストを聞く。

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