合成ダイヤモンド

合成ダイヤモンド、イミテーションダイヤ(模造ダイヤモンド)、処理加工されたダイヤモンドに関する手引き

サリネの鑑定施設では、ダイヤモンドの鑑別および処理検出が鑑定の最初の手順として行われます。合成または処理加工されたダイヤモンドの検出は、宝石に関する深い知識と先進設備が求められる、非常に専門性の高い作業です。天然、ラボグロウン、イミテーション、処理加工の違いを理解するには、まず今日の市場に出回る様々な種類のイミテーションダイヤの特徴を知る必要があります。

合成ダイヤモンド

研究所で合成される合成ダイヤモンドは、結晶化された炭素で構成される、天然ダイヤモンドと同一の化学構成と組成を持つ物質です。世界初の合成ダイヤモンドは、米国のユニオン・カーバイド社により1952年に生成されました。当時の合成ダイヤモンドは、化学気相蒸着(CVD)により生成された、多結晶ダイヤモンドでした。最初の単結晶ダイヤモンドは、それから1年後の1953年、スウェーデンのASEA社(現在のABB社)により高圧高温合成(HPHT)によって生成に初めて成功しました。しかし、この方法により商品化に適した高品質な合成ダイヤモンドの生成が実現したのは1970年代に入ってからで、CVD法による単結晶合成ダイヤモンドの生成に関しては、2003年にApollo Diamonds USA社が生成に成功するまで商品化に適した品質は実現されませんでした。高圧高温(HPHT)法により生成されたほぼ無色透明の商品化に適した合成ダイヤモンドは、2014年の時点ではまだ同等の品質の天然ダイヤモンドより高価でしたが、CVD法で生成されたダイヤモンドは、天然ダイヤモンドとほぼ同等の価格水準に到達していました。コストを妥当な範囲に収めた場合、生成できる大きめの合成ダイヤモンドはイエローダイヤモンドに限られ、無色透明の合成ダイヤモンドも、わずかな黄味を帯び内包物が多く含まている傾向にありました。同様に合成ブルーダイヤモンド(II b型)も、内包物のあるものが多く見られました。いずれの色でも、大きめのサイズの生成はなかなか成功しませんでした。しかし、2014年以降、合成ダイヤモンドメーカー各社は着実に開発を進め、現在では、カラー・クラリティ共に高評価のほぼ無色透明のダイヤモンドを、天然ダイヤモンドを大幅に下回るコストで、極小(直径0.5ミリのブリリアントカット)から10カラット以上に至るあらゆるサイズで生成できるようになりました。特に小さめの合成ダイヤモンド(メレダイヤモンド)は、ジュエリー向けに大量生産されています。

イミテーションダイヤ(ダイヤモンド代用品)

合成ダイヤモンドよりさらに一般化しているのが、イミテーションダイヤです。イミテーションダイヤとは、ダイヤモンドに見た目は似ていても、化学構成や組成がダイヤモンドと異なっている物質をいいます。イミテーションダイヤには、人工的に生成される物質と天然物質の両方があり、人工的に生成されるイミテーションダイヤには、キュービックジルコニア(CZ)、合成モアッサナイト、鉛ガラス、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)、ガドリニウム・ガリウム・ガーネット(GGG)、チタン酸ストロンチウム、合成ルチル、ニオブ酸リチウム、合成スピネルなどがあります。ですが、今日よく見られるのはキュービックジルコニア、モアッサナイト、鉛ガラスに限られ、その他の物質は現在ではあまり使われていません。天然のダイヤモンド代用品としては、ジルコン、トパーズ、無色透明のサファイア、クオーツなどがありますが、ダイヤモンドジュエリーとして通用するのは恐らくジルコンだけです。主に低価格ジュエリーの原料として使用されるイミテーションダイヤですが、キュービックジルコニアやモアッサナイトを偽のダイヤモンド鑑定書と共に販売する詐欺商法も存在します。これらの詐欺業者は、偽造したダイヤモンドをプラスチックの箱に入れて密封し、ダイヤモンド鑑定機関を装うなどの方法を用いて偽物を売りさばいています。

ダイヤモンドの各種処理方法

ダイヤモンドの見た目を向上・変化させる処理方法は様々あります。これらは、たとえば内包物を隠したり、見えにくくしたりする「クラリティ向上処理」として行われます。また、ダイヤモンドの色を変えることで、ダイヤモンドをより魅力的に見せたり、売りやすくしたりする場合もあります。ダイヤモンドのクラリティは、以下の3つの方法で向上できます。

  • 割れ目の充填
  • レーザードリリング
  • 内部レーザードリリング

ダイヤモンドの見た目の向上には、クラリティ処理よりカラー処理を用いるのが一般的です。カラー処理には以下を含む様々な手法があり、2つ以上の手法を組み合わせて行う場合もあります。

  • 表面コーティング
  • 不活性状態でのアニーリング
  • 高エネルギー粒子による照射
  • 照射およびアニーリング
  • HPHT(高温高圧)処理
  • HPHTおよび照射/アニーリング
  • 照射およびHPHT処理

これらの処理のうち、ダイヤモンドの無色透明化に役立つ唯一の処理がHPHTです。この処理により、ブラウンダイヤモンド(II a型)や低窒素型のI aBダイヤモンドを無色化できます。

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