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29
October 2019

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Sarineのデータがダイヤモンドの売上向上に役立つ理由

私達は「ビッグデータ」の時代に住んでいます。オンラインショッピングからGPSやデジタルマップ、ウェアラブル技術、都市計画に至るまで、データは私達の生活を動かす原動力の役割を果たしています。

たとえば、お持ちの車について考えてみてください。保険テレマティクスはあなたの車に関するデータ、運転パターン、天候・交通量などに関するその他の情報を収集し、対象の運転者のリスクレベルや保険料を正確に割り出すことができます。

一方データは、利便性を高めたり、時間やお金を節約したりする以上の役割も果たしています。データには、私達の生活をより楽しいものにできる力があるのです。

たとえば、オンラインでショッピングしたり、YouTubeで動画を見たりするたびに、あなたの関心や好みを示すデータプロファイルにデータが追加されます。ウェブサイト、オンラインショップ、デジタルマーケッターはこのデータに基づき、あなたの興味や関心に沿ったコンテンツや広告の表示を行い、あなたがより楽しめる、個別化された閲覧が時間の経過と共に実現するのです。

データを生活や行動に活かせる方法は無数に存在します。たとえば、現在アプリを何個使用していますか? これらすべてのアプリがあなたに関するデータを集計し、何らかの方法でそれを活用しています。

世界中で保存されているデータの量は、秒単位で増加しています。事実、世界のデータ量の90%が、過去2年間に作成されたものです。

それにも関わらず、こうした大量のデータプールの90%が、非構造化データで構成されています。ツイート、ソーシャルメディア投稿、写真、顧客サービスログなどの非構造化データは、一元的に保存・管理されないため、分析や活用には適しません。「誰もいない森で木が倒れたら、音がするのか?」という哲学問答に因めば、「非構造化されサイバースペースを漂っているだけのデータに価値があるのか?」ということです。

幸いにもダイヤモンド業界には、ダイヤモンドに関する大量の構造化データ源が存在しています。これらを賢く活かすことで、ダイヤモンドの研磨工程や売上を強化することができます。そしてこうしたデータ活用を支えるのが、スキャニング・マッピング・グレーディング・販売分野にまたがるSarineの幅広い技術力なのです。 

ダイヤモンドデータの収集方法

ダイヤモンドメーカー(研磨業者)、宝石鑑定機関、Sarineが世界各地に所有するテクノロジーラボの大半が、Sarineの機器を使用しています。そのため、世界のダイヤモンドの大半は、原石から宝石までの加工過程のどこかでSarineの機器に触れているのです。

ダイヤモンドが原石プランニング、カット分析、内包物マッピング、レーザーソーイング、ライトパフォーマンス測定、4Cグレーディングなどを目的にSarineの機器を通過する際、ダイヤモンドに関するデータが収集され、Sarineのクラウドシステムに一元保存されます。原石および宝石を含むあらゆるダイヤモンドに固有のSarineIDが付与され、原石から宝石に至るダイヤモンドの全加工工程を通して同一のIDが使用されます。そのため、ダイヤモンドの所在地が世界中のどこであっても、SarineのIDに関連付けられたそれぞれに固有のデータプロファイルに、クラウドを通してアクセスできます。

Sarineは長年かけ、かつてない規模のダイヤモンドに関するデータを蓄積してきました。これを、様々な技術やレポートで活用することで、メーカーや小売業者による売上の増大や、より質の高いダイヤモンド購入経験を実現することができます。Sarineはビッグデータが普及する世の中において、ダイヤモンド業界による構造化データの活用を可能にしているのです。

Sarineのデータを活かしたダイヤモンドの売上向上の実現

Sarineは、原石の購入・プランニングから内包物マッピングやスキャニング、レーザー加工、グレーディング、各種販売ソリューションおよびダイヤモンドレポートに至るまで、ダイヤモンドの全加工・供給工程に関する様々な技術を提供しています。

ダイヤモンドの製造(研磨)

Galaxy®内包物マッピングやAdvisor®原石プラニングソフトウェアなどのSarineのプラニング技術は、メーカーが原石から最大限の宝石を取り出せるよう設計されています。メーカーはAdvisorを使うことで、カラット数、形状、クラリティ、価値、市場需要など、これにまでにない数の基準に基づき最適なカットプランを作成することができます。Sarineのダイヤモンド測定・分析データは、メーカーが在庫から得られる収益を伸ばしながら、自動化・コンピュータ化による労働力およびその他の資源の削減を実現します。

ダイヤモンドグレーディング

Sarineのテクノロジーラボは、機械学習を用いたダイヤモンドグレーディングに取り組む、初のダイヤモンド研究所です。ダイヤモンドグレーディングは、複雑で反復学習が多いだけでなく、主観や偏見に左右されやすい作業です。AIによるダイヤモンドグレーディングなら、人によるグレーディングだけでは不可能な、高い精度や再現性を実現。さらに、より多くのダイヤモンドがSarineのグレーディング機器によりスキャン・分析・評価されるほどAIによる「学習」が深まり、アルゴリズムや精度の継続的な改善が実現します。

消費者は、購入するダイヤモンドに関するグレーディング情報が正確かつ客観的であることを確認できることを望んでおり、SarineのAIによるグレーディングはそうした安心感を消費者に与えることで、売上や消費者の信頼・満足度の向上に貢献しています。

ダイヤモンド販売向けソリューション

ダイヤモンドおよび宝飾品の販売に関して、Sarineは様々な画像化・モバイル技術の提供を通し、消費者が求める店頭体験を実現しています。今日の消費者は、価値観の共有や商品の誠実かつ明確な説明を通し、説得力のあるストーリーを伝えられるブランドから商品を購入する傾向にあります。

Sarine Profile™ダイヤモンドレポートプラットフォームは、それぞれのダイヤモンドの生まれ持った特徴や生い立ちを包み隠さず伝えるストーリーの作成を可能にすることで、ダイヤモンドに対して顧客がより強い親しみを感じられるようにできるツールです。インタラクティブ(対話型)のデジタルダイヤモンドレポートに加え、様々な店頭向けビジュアルマーチャンダイジングツールを実現するSarineのデータにより、小売店はそれぞれのダイヤモンドに関する固有のストーリーを、消費者に生き生きと伝えることができます。たとえば、対象のダイヤモンドの原石を物理的に再現できるレプリカ「3D Rough Origin」は、SarineのID番号に基づく高精度な追跡システムを基盤とする包括的なデータプールに保存された、大きさや形状を含む原石に関する詳細情報にアクセスできることにより実現しています。

データはあれば良いというものではありませんが、構造化されアクセス性や信頼性が確保されたデータなら、製造(研磨)・グレーディング・販売分野における新たな活用の基盤となります。データはダイヤモンド業界の未来であり、Sarineはすでに始まっているダイヤモンドデータ革命を先導する役割を担っています。

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